ネイサン・ヒルデン「As It Were」

2024.9.14 - 10.13

Opening reception : 9.14 Sat 14:00 - 18:00

MISAKO & ROSENは、5回目となるネイサン・ヒルデンの個展を開催します。

この展覧会にてネイサン・ヒルデンは一連の新作を発表します。これらの作品は彼の初期のキャンバス絵画に深く根ざしています。当時の作品は機械的かつジェスチャー的なプロセスで、スプレーペイントと密に重ねられたライナーステンシルのパターンが用いられたキャンバス絵画でした。現在の作品では、絵画の内部空間が開かれ、反復の要素はグリッド上の点、正方形、円であり、色彩は豊かなニュアンスを持っています。

一定間隔の格子の形状は、ヒルデンにとって、音楽における変拍子が組み合わさったようになり、点が集合したり離れたりして絵画空間の歪みを生み出していきます。ある1点のキャンバスはほとんど黒く塗られており、フィールドは光学グリッド内で常に成長し続けているように見えます。また別の作品では、時間をかけて観察することで色のフィールドが出現し、知覚の限界ぎりぎりのディテールや色合いの変化が見えてきます。絵画は膨らんだり凹んだりして、絵画の最も薄い空間を切り開いているように見えるのです。存在そのものを観察するために宙吊りで保たれています。

ヒルデンにとって魅力的なのは、投影され具体化された概念を生成するための装置としての絵画です。この矛盾の維持こそが複雑さの定義です。