杉原玲那「Frame」

2022. 6. 26 Sun - 7. 24 Sun

MISAKO ROSENでは、1回目となる杉原玲那の個展を開催いたします。
杉原玲那は、1988年東京生まれ、現在も東京で制作活動をしています。

杉原玲那は内奥的な直感に突き動かされて絵画に取り組みます。粘的であると同時に静的な彼女の絵画が描出するのは、触覚性を帯びた持続的な瞬間のありようです。肉体はそこで抽象化され、渾然一体となった物質と記憶を通じて再提示されます。杉原の絵画は人体解剖図および何らかの物体に対する彼女の応答────その物体の重みと肌理は、事前に接触によって把握されます────を介して形成されるため、そこには間接的な彫刻性があります。画面に結実するのは「凍結された時間」とでも呼ぶべき感覚です。彼女が用いる形体と色彩はどこか歴史的な絵画を思わせますが、その画法や色調から特定の時期を読み取ることはできないのです。