題府基之「untitled (surround)」
2018. 12. 2 Sun - 2019. 1. 20 Sun(冬季休廊 : 12. 28 - 1. 8)
Opening reception : 12. 2 Sun 13:00 - 16:00
※オープニングレセプション終了後も、17時まで営業しております。
題府基之は、1985年、神奈川県横浜市生まれ。主な展覧会に「日産アートアワード 2017」バンクアート、横浜(2016年 グループ展 )、「日本の写真ー現在から戦後」サンフランシスコ近代美術館、サンフランシスコ(2016年 グループ展 )、「囚われ、脱獄、囚われ、脱獄」カフェサンデー、東京(2016年 グループ展)などがあります。2014年にロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館で開催された「Prix Picted アワード」ではファイナリストに選出されています。
2018年には、フランスの小説家ミシェル・ウェルベックとコラボレーションした書籍「大型スーパー 11月」が発表されます。また2016年にはNewfaveから写真集「Still Life」を出版、そのほか、2013年に「Project Family」をDashwood Booksから、2012年に「Lovesody」をリトル・ビッグ・マンから出版しています。
本展覧会に関連して、これまで手がけた15冊の「untitled (surround)」のジン本に最新のジン本1冊を加えた16冊とサイン入りプリントがついた限定ボックスエディション(15部)を発売します。
題府基之は「untitled (surround)」において、自身の実家の周辺、横浜市郊外に目を向けます。
地理的に言えば、ホンマタカシが撮影していた「郊外」と中平卓馬が自転車を漕ぎながら撮影していた地域との中間に位置するエリアです。統一されたトーンを持つそれぞれのイメージは、家庭内の状況や静物を捉えた初期の作品と同様のカジュアルな構図で捉えられていますが、今回の作品群が湛える奇妙さは、思いがけない要素の併置や情報の過剰さ、あるいは色彩の飽和よりも、むしろ現代の日本における規格化された郊外建築自体の「崩れたバランス」という特質、そしてそれが孕むありふれた――目を凝らさずとも見えてくる――ディテールから生起するものです。すべての作品が縦位置となっているのは、イメージとの関連による選択ではなく、むしろひとつひとつがフォトグラフィカルな物体であることを強調するものです。題府はその実践を通じてコンテンポラリーな日本の写真のあり方を形にしようと試みてきましたが、《untitled (surround)》にはその新たな展開が示されています。