有馬かおる / クリスチーナ・トゥフィーニョ / 廣直高 / リー・ロザーノ / スティーブン G・ローズ / 松原壮志朗

「Natural High」とサブタイトルがつけられた本展覧会は、シリーズ化したグループ展「Happy Mind」の第三弾です。
極端な心理的ストレスの中で矛盾した安定性や一貫した存在を考慮した内容です。どこかぎこちなく不快な内容のようでありながら、最終的には日本特有の楽観的なマインドから生まれたオープンな姿勢を表現した構成になっています。この機会にどうぞご高覧ください。

出展アーティスト

廣直高：1972年大阪生まれ。現在は、ロサンゼルスを拠点に制作活動を行う。廣が作品を通して探求し続けるのは、常に肉眼では決して知る事のできない彼の自身の未知の身体部分についてです。このテーマを元に彫刻、映像、ドローイング、ペインティングを盛り込んだインスタレーションを展開しています。2018年現在、ロサンゼルスのハマー美術館で開催中の「Made in LA」に出展のほか、2016年にはハウザーアンドワースで開催の「A Modest Proposal」と題したグループ展に参加しています。

リー・ロザーノ：1930年ニュージャージ市生まれ、1999年にダラスにて死去。アメリカを代表するコンセプチュアルアーティストのひとりです。1960年代に始まった過激な表現により一旦アート界から姿を消し、その後2000年になりまた再評価されるようになりました。ジェンダー的な表現の他、アーティストの個人的な心理に特化した作品を制作している伝説的な存在です。2018年にThe Fruitmarket Gallery（エジンバラ、スコットランド）にて個展、2017年には、マドリッドのThe Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofíaにおいても個展が開催されています。

スティーブンG・ローズ：1977年テキサス生まれ。現在は、ベルリンを拠点に制作活動を行う。一連の社会問題、特にアメリカ社会特有の差別的な問題などをテーマに、コラージュ、映像、を含んだ壮大なインスタレーションで表現しています。また、本展覧会で出展される「Vacant Portrait」シリーズは、スティーブンG・ローズを知る上で最も重要な作品です。
近年国際的な展覧会に数多く参加しています。2017年開催の「イスタンブールビエンナーレ」2015年には、クンストフェラインケルンにて個展を開催しています。

クリスチーナ・トゥフィーニョ：1982年プエルトリコ生まれ、現在はニューヨークとフィラデルフィアを拠点に制作活動を行う。現在的なファッションデザインと古代美術、赤線地区特有のセクシーな要素にラテンアメリカ的なボディーを融合した彫刻を主に制作しています。数多くの複雑な要素を持ちながらもシンプルに一発で放たれる楽観的な表現がすべてを語っているようです。
2018年メキシコのギャラリー、オーガスティーナ・フェレイラにて個展を開催した他、2019年にはマイアミのPerez Art Museumで開催のグループ展に出展しています。

松原壮志朗：1980年北海道生まれ、現在はウィーンを拠点に制作活動を行う。美術史の中に潜む、物語をテーマに作品を制作している。近年松原が制作したオーストリアのペインター、オスカー・ココシュカとグスタフマーラーの未亡人であるアルマ・マーラーのラブストーリーをテーマにした作品は強烈な印象を残しました。本展覧会で展示される絵画は、アルマと別れたオスカーの悲痛な感情が生み出した奇妙なエクスターシーが題材となっています。
2014年にオペラシティーアートギャラリー（東京）で開催された「絵画の在りか」に出展、2017年にはニューヨークのブレナンアンドグリフィンにて個展を開催。2018年には、ベルリンで個展を開催予定。

有馬かおる：1969年愛知県生まれ。有馬かおるは近年、現代絵画に多大な影響を受け、独自の解釈により実験的なな絵画制作を繰り返し行っています。くつろぎ感のある感情を表現したドローイングとは違い、絵画作品は多くの色彩や濃いタッチなどを使い強い構造的な解釈が見てとれます。絵画がもつ歴史的な側面を常に探求しています。
2003年ウォーカーアートセンターのグループ展「How Latitudes Become Forms」に出展、2004年には「第54回カーネーギーインターナショナル」に出展など2000年初頭からは、国際的な展覧会にてフィーチャーされています。また2015年にはMISAKO & ROSENで個展を開催した他、2018年にはニューヨークのQT (Queer Thoughts）にて個展を開催予定。

展覧会にご協力いただいた皆さん：ガレリア・オーガスティーナ・フェレイア（メキシコ）、XYZ Collective（東京）、ブレナンアンドグリフィン（ニューヨーク）、ハウザー＆ワース（スイス）