この度、MISAKO & ROSENでは、ダブリン出身でベルリン在住のアーティスト、ファーガス・フィーリーの２回目の個展を開催いたします。近年、ファーガス・フィーリーが参加した美術館でのグループ展には、「アートがあれば 2」(2013年東京オペラシティーアートギャラリー、東京）、「ペインターペインター」（2013年ウォーカー・アートセンター、ミネアポリス）、「Changing States: Contemporary Irish Art & Francis Bacon’s Studio」（2013年 BOZAR – Palais des Beaux-Arts, ブリュッセル）、があります。また美術館での個展は、2009年にダグラスハイドギャラリー(ダブリン）、2010年にダラス美術館（テキサス、アメリカ）にて開催しています。

ウォーカーアートセンターで開催されたグループ展「ペインターペインター」で明らかになったように、フィーリーは、初期の頃より、現在のスタイルで抽象的描写に関連した絵画を制作するアーティストの一人として位置づけられるでしょう。
ファーガスの世代の主なペインターたちはとても現象的で存在感のある作品を制作します。作品のほとんどが、謙虚な素材とスケールで構成されており、鑑賞することと作家自身の作品制作により実験的な行為へと導かれ、ほとんどの作品が非イデオロギーの中にいます。 ファーガスが展覧会にあげたタイトル「Floating & Other Metaphors」は、抽象絵画が商業主義的な意味でとらえられはじめた最近の傾向に対しての反対論です。タイトルには直接的な表現が含まれませんが、葛藤と自由が交わったこの表現が含まれます。ファーガスがタイトルに「メタフォー」という言葉を使用したのは、制作の過程と鑑賞することの関係性を考える事になり、言葉と思考の関係性についても問う為からです。抽象のモラルの可能性についても指摘しています。