マヤ・ヒュイット「FireEyes」
2011年2月27日(日) - 4月3日(日)
オープニングレセプション(サンデーブランチ) 2月27(日)13:00-16:00
※オープニング当日は日曜の通常営業時間通り17時までとなっております。
この度、MISAKO & ROSENでは2回目となるマヤ・ヒュイットの個展を開催いたします。現在ロンドンを拠点とするヒュイットは、さまざまな展覧会に参加しながら国際的に活躍。近年の展覧会に、ベルリンのThomas Olbricht Collectionでの「Passion Fruits」展(2010)、パリのLa CathedraleからダブリンのIrish Museum of Contemporary Artに巡回した「Elusive Dreams」展(2009)などがあります。日本国内では、名古屋芸術大学で学んだあと、大和日英基金やTokyo Wonder Siteの援助により滞在制作をしています。また、2010年には、東京をベースに活躍するコスチュームジュエリー・デザイナーの阿部好世(Petite Robe Noire)とのコラボレーションで作品を制作、「Stones in Paws」展を開催しました。
今回の個展でヒュイットは、新たな展開を見せています。鑑賞者を没入させるような、床から天井まですべて使ったインスタレーションという以前の形態から、ひとつひとつ独立したキャンバス作品へ。それは、具象的な絵画へと回帰する若い世代の最前線に彼女を押し出すでしょう。とはいえこれらの最近作は、いかに具象的・再現的・表現的であっても(そこには、ヒュイット自身の生活環境やサブカルチャーへの関心に根を持つと思われる、ある種の不安が描写されています)、「装飾性」という抽象的な側面も包含しています。
かつてヒュイットの作品を特徴付けていた空間的な奥行きを捨て、独立した絵画へ。板という彫刻的な重みを持った素材からキャンバスへ。こうした変化によって生じたフォーマルな平面性は、そこに描写されている暗鬱とした内容と明確なコントラストを作り出します。ヒュイットは、「描写」という概念を錯綜させるかのように、それと相反する抽象的な要素を一連の作品に組み込むことに成功しているのです。このような装飾の様式は、現代の絵画の実践の中で、まったく新しいポジションを示していると言えるでしょう。
この機会にどうぞご高覧ください。