スティーブン G・ローズ「There is No Bear Bear Ladder」
2009年4月17日~5月31日
オープニングレセプション:2009年4月17日 18:00-20:00
この度MISAKO & ROSENでは、ロサンゼルス在住のアーティスト、スティーブン・G・ローズの日本初個展を開催致します。
近年カリフォルニア州パサデナのアートセンターカレッジオブデザインで修士号を取得したローズは、2007年ドイツ・カールスルーエのZMKで開催された「between two deaths」展、2008年同スペースでの「Prospect. 1, New Orleans」展など、数多くの国際的な個展やグループ展に参加しており、この4月にはニューヨークのニューミュージアムにて「The Generational : Younger Than Jesus」展が始まりました。
“ひとつの色がすべての作品に現れている”
—スティーブン・G・ローズ
1977年テキサス州ヒューストンで生まれ、ルイジアナ州で育ち、現在はロサンゼルス在住であるローズの作品群は、一見すると混濁し、同時に非常に確固たるものである、マルチメディアのインスタレーションにおける歴史的・文化的な素材を融合させたものであるかに見えます。
ローズの継続中のプロジェクトの一部である今回の展覧会 「There is No Bear Bear Ladder」は、高名な著述家であるガートルード・スタインの、コラージュとペインティングで構成された著作 「There is no There There」から引用したものです。
今回の展示では、彫刻と、ディズニー映画 「ソング・オヴ・サウス(南部の唄)」(すでに市場には流通していませんが、日本国内ではまだ入手可能のようです)、スタンリー・キューブリックが映画化したスティーブン・キングの「シャイニング」からの音と映像、またスタジオ内で熊の着ぐるみを着て行われるローズ自身の映像が編集され繰り返し映し出されます。
この「No Bear Bear」プロジェクトは、サンプリングや繋ぎあわせといった触覚的な過程を経ることによって、結果として生じるインスタレーションが、もともとの素材に隠れていた二次的な意味や物語をさらけ出すというローズの試みを成功させているのです。
性質的にはとても個人的なローズの作品は、一般的な同時代の問題に深く関わっています。
熊である彼自身をディズニーの物語に入り込ませるため、またギャラリースペースにおけるインスタレーションの文脈上で、崩壊した彫刻としてのスクリーンを再生させるための装置として利用される彩度やグリーンの平面を多用することは、挑発であると同時に啓示でもあるのです。
作家本人も来日いたします。この機会にどうぞご高覧下さい。