竹崎和征「BIO TOPOS バイオ トポス」

2008年9月8日~10月12日

オープニングレセプション:2008年9月8日(月)18:00-20:00

竹崎和征は1976年高知県生まれ。1999年高知大学教育学部を卒業後、東京に拠点を移し現在も制作活動を行っています。

竹崎和征の作品は、言葉では現せないような微妙なニュアンスを持った記憶の中の風景を抽象的な技法を用いて表現します。絵画であるはずの作品にも関わらず、ドローイング、ペインティング、彫刻といったジャンルの境がまったくない構造で出来ています。またドローイングがもつ儚くて普遍的な要素をペインティングに加えているのも特徴のひとつです。よく出てくる風景画は彼の生きて来た土地、もしくは生きている場所の息づかいや湿度を描いたようにも感じられます。

今回の展覧会で竹崎は、自分が生まれた場所を題材にします。しかしそれは決してふるさとを懐かしむという目的ではありません。この展覧会のコンセプトをたてるにあたり竹崎は「ビオトープ」という言葉を口にしています。生き物が棲む場所=生息場所を意味するように、環境や場所のシステムに焦点をあてています。
また竹崎はどこかの庭にも言及しています。どこかの家の裏庭には土や植物または植木などが存在しています。このよく見る光景は、実のところ家庭で不必要なものや、保管に困っているものが同居しています。自然と野良猫が通りかかり、虫が訪れては去って行く。そのような人口的でもあり自然な風景を辿ります。
今回は新作ペインティングを含めたインスタレーションのような形で展覧会を展開して行きます。

展覧会の覚え書き  竹崎和征

Sea, Father, Mother and Mountain

生まれた町は海と山にかこまれ、そこで人は生活している。
町で暮らしていたこと。

そこでの自然と人口物の絡み合いは実にダイナミックで、それらを包み込む町という存在は、想像力を生み出す一つのくくりとして都合がよい。その町をスタートに今回の展覧会を作リはじめることにする。もともと風景を題材に多く作品を作ってきたのだが、今回は自分の中の地図のようなものをスタートとして、風景や空気や湿度、象徴物などを組み合わせた展覧会を作ってみようと思う。