ネイサン・ヒルデン「Starting To An End (始まりは終わりに向かう)」

2007年11月27日(火)~12月23日(日)

オープニングレセプション 2007年11月27日(火)  18:00~20:00

MISAKO & ROSENでは、11月27日(火)より12月23日までネイサン・ヒルデンによる「Starting To An End(始まりは終わりに向かう)」を開催いたします。
ネイサン・ヒルデンは、1978年 ファーガス・フォール、ミネソタ生まれ。現在は、ロサンゼルスを拠点に制作活動を行っています。2001年ミネソタ州立大学卒業、2005年にはフランクフルトのStaatliche Hochschule für Bildende Künste Staedelschuleのプログラムに参加。2006年アート・センター・カレッジ・オブ・デザイン修了。
主な個展ににリチャード・テイエズ・ファインアート(ロサンゼルス)、アートコンセプト(パリ)があります。また近年国際的なグループ展に多数参加しています。リチャード・テイエズ・ファインアート「ディグリーゼロ」展、ウォール・スペース(マイケル・ネッド・ホルテ氏キュレイション)「レイイング・ブリックス」展(ニューヨーク)、クリスチャン・ナーゲル「ポストーローズ」展(ベルリン)、ガレリ・デニス・キメリッヒ(ウィルヘルム・シューマン氏キュレイション)「LAデザイー」展(デュセルドルフ)、ケイシー・カプラン・ギャラリー(ダニエル・バウマン氏キュレイション)「ポーズアンドスカルプチャー」展(ニューヨーク)。2007年ニューヨークのガゴシアン・ギャラリーにて開催のグループ展に参加予定。

ネイサン・ヒルデンは、今回MISAKO & ROSENにおける個展のため、一連のペインティングを制作しました。この作品群は、一点一点が独立した作品でありながら、同時にすべての作品が一つの集合体として着想され、制作されたものです。それぞれの作品は、直接的、そして常に加算的な方法で仕上げられています。まず、強い視覚的効果を出すために選ばれた蛍光オレンジがスプレーでペイントされ、その上にステンシルを使った黒い線が、同じくスプレーでペイントされています。この黒い線は、大小すべての作品の上に繰り返し登場します。一方、この作品群を一つの集合体として見た時に、ここでは、キャンバスそのものが作品のイメージを構築する道具として使用されています。小さな作品は、大きなキャンバスの上でステンシルに使われ、スプレーペイントが施されます。この過程で、大小の作品に蛍光オレンジが着色されると同時に、大きな作品は小さな作品を絵柄として取り込み、そうすることで小さな作品群のインデックスとしての機能を得るわけです。
ヒルデンはこうした複雑な置換を通し、目的と手段の順序、すなわち技術の定義を混乱させる効果を狙っています。彼のアプローチは、アーティストの作品制作における一時性や、見る側が一枚の作品を体験するあり方に、疑問符を唱えています。
今回はネイサン・ヒルデンの日本での初個展となります。
出展作品の一部として、ネイサン・ヒルデンのアーティストブックをスプラウト・パブリッシングと共同制作いたします。この機会にどうぞご高覧下さい。