デビッド・ロビンス「100 Wall Safes」

2024.11.21 - 2025.1.30

The Green Gallery (ミルウォーキー)とMisako & Rosen(東京)は、アーティスト・ライターのデビッド・ロビンスによるオンライン展「100 Wall Safes」を共同で開催いたします。

展示されるWall Safe作品は、こんにちアート作品が多くの場合その投資価値目的で購入されているということを愚直に示しています。AIのソフトを用いて作られた架空の金庫を提示することで、「100 Wall Safes」はアートの資産化という側面、ひび割れながら発展し続けたその威光を明らかにします。黄金色に輝き宝石で飾られたWall Safe作品は、贅沢さに対する痛烈な風刺です。奇抜な装飾の細部とともに、その見た目は、ポピュラー文化が想像し表象してきたような過剰な富のどぎつい素質を表しているのです。

世間に存在する特権階級の支配者への理想的な贈り物として、それぞれのWall Safe作品は、NFTとして購入が可能です。それは、近年のデジタルアートにおける所蔵証明や価値の貯蔵源として画期的な発明品でもあります。100ドルに金額が設定された、それぞれにユニークピースであるWall Safeのjpgファイルは、大量生産されたトレーディングカード、カジノチップ、そしてひとつだけのファインアート作品という蒐集品の系譜に、意図的な混乱と共に連なるものとなっています。

100 Wall Safes

「もう一度階級闘争を愉快に!」デビッド・ロビンスがヤコブ・ファブリシウスに語る「100 Wall Safes」

 

「中流階級の喜劇における最高の語り手」であるデビッド・ロビンスは、「Art Dealers’ Optical Tests」(1987年)や、エンターテインメント産業の時代にけるアーティストのイメージを更新する画期的な代表作「Talent」(1986年)などを通して、過去40年に渡りアート界の中で遊び、そして時に弄んできた。その作品は多数の美術館に収蔵されています。「Concrete Comedy: An Alternative History of Twentieth Century Comedy」 (2011), 「The Ice Cream Social」(1996), 「Accrochage」(2020)そして「 High Entertainment」 (2023)など、これまでに8冊の著書も出版。そして、自叙伝となる「Rebel Without Applause」が出版予定となっています。

*メトロポリタン美術館、ニューヨーク