題府基之「Still Life」

2014年11月30日(日)- 2015年1月11日(日)

オープニングレセプション(サンデーブランチ)11月30日(日)13:00-16:00
オープニング当日は日曜の通常営業時間通り17時までとなっております。

この度、MISAKO & ROSENでは、題府基之の個展「Still Life」展を開催いたします。
題府基之は、1985年に東京に近い横浜で生まれ育ちました。

2014年、世界的に有名な写真のアワード「Prix Picted」の11人のショートリストに選ばれました。このアワードの展覧会は、ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館やトリノのサンドレット・レ・レバウデンゴ財団現代美術館を始め各地を巡回しています。
2012年には、ロサンゼルスのリトル・ビッグ・マンより「Lovesody」を出版、
2013年にはダッシュ・ウッド・ブックスより「Project Family」を出版しています。

題府基之が近年発表した「Project Family」は、郊外の実家で暮らす兄弟と姉妹、そして両親と時々出てくる猫の日常を撮影したシリーズです。大家族ならではとは言え、カオス化した衝撃的な実家の様子を淡々と撮影したものでした。
前シリーズである「Project Family」とは異なり、新作である「Still Life」には、住居人の姿がありません。彼の実家の台所のテーブル上で毎日のように展開される、食事や家庭のアイテムが無秩序に並べられる日常に着目しています。人工的な操作を加えていないにも関わらず、「Still Life」シリーズの描写は、実際の正体から切り離されたポストインターネットの世代の感覚に取り付かれたかのようです。人物が不在である過剰なイメージは、題府のもつユーモアなセンスによりネガティブな感覚が排除されカオス化したイメージが混乱する楽しさにより成り立っています。これらのイメージは、明らかに題府本人のありのままの密接な日常生活であると共に、現在のありふれた情報ツールに登場するスタイルにリンクする描写なのです。