持塚三樹「SLS」

2010年11月7日(日) - 12月5日(日)

オープニングレセプション(サンデーブランチ) 11月7日(日)12:00-15:00
※オープニング当日は日曜の通常営業時間通り17時までとなっております。

持塚三樹は1974年静岡県生まれ。 1999年常葉学園短期大学美術デザイン科卒業。大学卒業後、静岡県を拠点に制作活動をしています。2010年7月には静岡県三島にあるベルナール・ビュフェ美術館主催の「作家のアトリエ」展に出展、MISAKO & ROSENでは2007年と2009年に個展を開催しています。

持塚三樹はこれまでに、観た事のない記憶やイメージを重ね合わせた作品を制作してきました。実在するものを描くというよりは、いつか目の前に起こった記憶をたよりに常にアーティスト本人の脳裏にしか見えていない風景をコラージュするように絵の具を重ねてきました。絵画を制作する際に風景や記憶を想像するというシンプルに見えるこの行為は、実際に見えないものを描く事により持塚の作品に実験的な要素を与えて来ました。また自然の中に存在する枝や動物を創造を交えて人工的に置き換える事により、作品を通して見えてくるものの美しさや神秘性を探る意図が見えてきます。こうした要素は彫刻作品に多く見て取れます。
この行為を繰り返し行ってきた持塚がここ数年の間に手がけた絵画は、光をモチーフにしています。ベルナール・ビュフェ美術館で開催された「作家のアトリエ」展にて枝や草の間に過今見る無数の形を描いた新作絵画を発表いたしました。風景を描いているようにも見えますが、それは枝や草の間の空間や光を描いたものであり幾何学的な絵画の要素をふまえた作品となりました。

この作品からさら発展し本展覧会では、形のない光を絵画を通して表現する試みです。実際に見た風景は光を通して観えてくる風景です。時間と記憶の層は違う場所や時間を重ねてようやく形成されるものです。持塚は「絵画で表現した風景は目を閉じて光の無い状態で観ているのと同じである」と言います。
本展覧会では新作絵画と東京で初公開となるブロンズ作品を発表いたします。