ネイサン・ヒルデン

2010年10月3日(日) - 10月31日(日)

オープニングレセプション(サンデーブランチ) 10月3日(日)12:00-15:00
※オープニング当日は日曜の通常営業時間通り17時までとなっております。

この度MISAKO & ROSENでは、ロザンゼルス在住のアーティスト、ネイサン・ヒルデンの個展を開催いたします。
1978年にミネソタ州ファーガス・フォールズで生まれたヒルデンは、2006年カリフォルニア州パサディナのアートセンターカレッジオヴデザインでアートの修士号を取得し、現在までにベルリンのヨハン・ケーニッヒギャラリー、ロサンゼルスのリチャード・テイエズ・ファインアート、パリのアートコンセプトなどを含む様々な場所で国際的に展示を行ってきました。

今回の展示は、アルミニウムの上に描かれた作品と、キャンバスの上に描かれた作品という、二つの明確なシリーズから構成されています。
いずれの場合も、ヒルデンはペインティングの過程に内在する可能性を追求していますーつまり、それぞれの作品が生成されるためには、他の作品の存在がフィジカルに関わることが必要であるために、ひとつの作品は他の作品を具現化していると言えるのです。

シルクスクリーンや刷毛、スプレーといった複数の手法を用いアルミニウムに描かれた作品群には、シルクスクリーンで描かれた空白のキャンバスという画像を通して、一般的に言う「ペインティング」が明白に浮かび上がります。常に順序を変えたりシャッフルさせたりすることで、ヒルデンはアルミニウムのシート上に様々な絵の具のレイヤーを重ねていきます。幅の広い刷毛のエネルギッシュな流れを用いて、白いアクリル絵の具を重ね、重なり合った金属的なシルバーのうねりを出現させ、キャンバスの画像を黒で刷り込みます。絵の具をスプレーしながらも、異なった層を作り出すためにアルミニウムのシートを重ね合わせるなどして、このシリーズを制作中ヒルデンは常に、製作過程の段階を結びつけるだけではなく、同時に複数の作品を制作することに取り組みました。展示されているキャンバス作品はいずれも、個々は独自の雰囲気を持っているものの、すべてこのように作られました。ペインティングはグループに分けることができますが、その後更に個々の作品へと分けられます。
始めに、すべてのキャンバスは黒で下塗りされ、金属的なシルバーの層がうねりとなって表面を覆います。それらは次に互い違いに重なって垂直に置かれ、赤、青、紫、最後にマットな黒でスプレーされます。
ヒルデンは、製作過程のシンプルさと視覚的な密度が反比例するという、その物質的・情緒的な特性ゆえに、絵の具を使用し続けるのです。