ウィル・ローガン「ruin」

2009年9月28日(月)- 10月25日(日)

オープニングレセプション 9月28日(月)18:00-20:00

この度MISAKO & ROSENでは、ウィル・ローガンの日本では初めてとなる個展を開催いたします。
ウィル・ローガンは1975年ハイランドパーク生まれ。2006年にカリフォルニア大学バークレー校にて修士号を取得し、現在はカリフォルニア州アルバニーを拠点に活動しています。
日本においては、2007年にMISAKO & ROSENにおいて奥村雄樹との二人展を開催、同年の森美術館におけるグループ展「笑い展 ー笑いに見る現代美術」にも参加。
アメリカ国内での主な個展、グループ展には、Small A Project (2009年、ニューヨーク)ダイバース・ワークス・プロジェクト(2007年、ヒューストン、テキサス)CCA ワッツ・インスティテュート・フォー・コンテンポラリー・アート(2005年、サンフランシスコ)、サンフランシスコ近代美術館およびヤーバ・ブエナ・センター・フォー・ザ・アーツ(共に2002年、サンフランシスコ)での展示があります。また日本では「笑い展ー現代美術に見る「おかしみの事情」」展(2007年森美術館)に出展しています。また、共同創設者、共同編集者としてエディションのアートプロダクツをベースにした季刊誌「The Thing Quarterly」にも携わっています。

ウィル・ローガンの制作の根底には、現代美術の分野ではユニークとも言える穏やかさがあります。この穏やかさゆえ、その作品は自然とマルチメディから発生したものとなります。
展覧会は多くが映像や写真、彫刻、紙を用いた作品によって構成されますが、それらのメディアの間に明確なヒエラルキーはなく、どれか一つのメディアが突出して重要であることもありません。
これらの豊富な素材とは正反対に、ローガンは一見簡単に、今ある世界に何も加えることなく作品を作ります。ポストコンセプチュアリズムのユーモアと伝統的な概念の非物質化への指向を併せもち、ローガンは基本的に、驚きの素材となるものを「日常」から得ています。何気なくおかれた物や標識は、それらが持つ文脈的おかしさに着目して撮影され、作家の道具、とりわけカメラは、ローガンの手にかかると、類似するメディアと奇妙な動きの中で自己指示的にそれ自身に視点を移すことにより、なじみのないものとなってしまうのです。手段を省くことは、制作の基礎として日常に相対したことによるものであり、ローガンの作品の豊かさとなっています。今回は、パズルをモチーフにした彫刻、写真と映像作品をご覧いただけます。この機会にどうぞご高覧下さい。